スポンサーリンク

チクチク言葉の対処法

パワハラとなり得るチクチク言葉一覧!!パワハラ認定された事例や自分が言われた場合の対処法

職場でチクチク言葉によるパワハラにあったという話はよく耳にします。

どこに相談していいかわからず、一人で思い悩む人も多いのではないでしょうか。

そんなときこそ、一刻も早く専門窓口に相談して、状況を改善のために行動してほしいです。

同僚の前で、大声で怒鳴られたり、誹謗中傷を受けたりする場面を見ることがあります。

しかし、職場であなたを否定するようなチクチク言葉が使われると、パワハラになり得るのです。

パワハラにあたるチクチク言葉は、使った側が侮辱罪などの罪に問われる可能性があります。

一方、言われた側も、放置しておくと、仕事を休んでそのまま退職となる場合もあります。

そのような状況は、一刻も早く改善されなければなりません。

この記事では、パワハラとなるチクチク言葉の一覧や、パワハラが認定された事例と対処法を紹介します。

パワハラとなり得るチクチク言葉一覧

パワハラとなるチクチク言葉を、大きく4つに分類して紹介します。

1 業務の目的を大きく逸脱した言葉

  • もう会社来なくていいよ
  • この作業に何時間かかっているんだ、普通10分あればできる仕事だぞ
  • どこまで教えないといけないの?
  • 普通、聞かなくてもわかるだろ

2 業務上明らかに必要のない言葉

  • 頭、大丈夫か?
  • 親の顔がみてみたいわ
  • 〇〇さんがうちの部署だったらよかったのに
  • おまえのせいで、みんなイライラしているぞ

3 あなたを脅迫するような言葉

  • 死ぬ気でやれ
  • おまえの存在自体がめざわりだ
  • お前の代わりはいくらでもいるぞ
  • 休みの日に勉強したことを報告しろ

4 あなたの権利を阻害する言葉

  • 有給なんかとれると思うな
  • 残業もせずにもう帰るのか
  • 結果を出してから言え
  • ずる休みじゃないだろうな

パワハラにあたるチクチク言葉は、もちろんこれだけではありません。

あなたを侮辱する言葉や指導の範囲を超えた言葉は、他にも無限にあります。

仕事でチクチク言葉を言われてしんどい人の体験談

次に、SNSで見かけた、職場でチクチク言葉を使われてしんどい人の体験談を紹介します。

引用:X(旧Twitter)

職場のパワハラが酷くてお腹がずっと痛いです。

また怒鳴られたらどうしようとか凄く怖くて行くのが凄くしんどいです。

しかし、辞めるなら円満退職が無難ですよね?

引用:Yahoo!知恵袋

読んでいるだけでもつらくなってしまいますね。

職場でもチクチク言葉によるパワハラが日常茶飯事に起こっているのは、本当に残念に思います。

職場の上司からのチクチク言葉がパワハラ認定された事例

続いて、職場の上司からのチクチク言葉がパワハラ認定された事例について、紹介します。

1 「防犯上よくないことくらいあほでも小学生でもわかるやろ」で、パワハラ認定

大裕事件(←クリックで詳細表示)

大裕事件
大阪地裁平成26年4月11日判決
労働判例ジャーナル29号2頁

事案の概要

機械の製造販売等を業とする会社に勤務していた原告が、会社から休職期間の満了により自然退職となった旨の通知を受けたところ、上司からパワハラを受けたことが原因で適応障害を発症し休職していたものであると主張し、会社に対し雇用契約上の権利を有する地位にあることの確認及び就労が不可能になった期間の賃金の支払いを求めるとともに、上司に対し、不法行為に基づく損害賠償を、会社に対し使用者責任に基づく損害賠償を請求した事案。

判旨

(1)判決

上司のパワーハラスメントを一部認定し、さらにパワーハラスメントと適応障害との因果関係も肯定した上で、原告の地位確認を認容し、賃金請求を全額命じ、慰謝料については原告の請求額の一部の支払いを命じた。

(2)パワーハラスメントと認定された行為

 ア 金庫室の施錠に関する件

終業時間の午後5時が迫っていたが、5時以降も支払等による金庫室の利用の必要性が予想されたため、原告がセキュリティーキーを管理している同僚に金庫室の施錠を待ってもらっていたところ、金庫室の施錠の手順や管理方法について注意・指導を受けたことはなかったにもかかわらず、上司は、原告が他部署の担当者と打合せを行っている際に突然割り込み、同担当者の前で、原告に対し、1メートルの至近距離で、「金庫室なんかいつまでも開けておいたらあかんに決まってるやろ。防犯上良くないことくらいあほでも小学生でも分かるやろ」と感情的な大声で怒鳴りつけるとともに、原告の言い分を聞こうともせずに、「言い訳はええんじゃ。金庫を17時にしまう決まりなんやったらきっちり守れや」と感情的な叱責を繰り返した。

 イ 補助金関係書類作成の件

原告が、指示された補助金関係書類を作成している際、上司は原告に対し、「いつも言うてるやろ。報・連・相やぞ。そんなん社会人やったら知ってて当たり前やろ。あほでも知ってるわ」「(原告)さんは前からやけど仕事が遅い。前任者に比べて時間が4倍5倍掛かってるんや。能力が劣ってんな」と叱責するとともに、原告が残業にならないよう作業を進めていた旨述べたのに対し、「そんなんちゃうやろ」「(原告)さんは仕事のスピードが人より遅いんやから今回の修正の仕事については、夜中まで、朝まで掛かってもやってや」「今回の仕事の意味分かってんのか。(原告)さんのチェック漏れやミスがあって、つじつまが合わんの提出したら、申請が認められなくなって、何百万円という、もらえるはずの人件費が全部パーになるんや」と高圧的な強い口調で叱責した。

(3)パワーハラスメントと適応障害との因果関係

原告の業務の状況、パワハラの時期と発症の時期、原告の精神障害発症と対人関係上のストレスの間には因果関係がある旨の医師の意見書、原告に精神障害の既往歴がないことなどから、パワハラ行為と適応障害との間には相当因果関係があると判断した。

(4)休職命令及び当該命令を前提とする自然退職の有効性について

会社の休業に関する就業規則において、「勤続満1年以上の者で業務外の傷病により、欠勤が90日以上に達したとき」は休職を命ずる旨規定されているところ、会社は同規定に基づき原告に休職命令を発するとともに、就業規則上の休職期間の満了により、原告が自主退職したものとして取り扱ったが、原告の精神障害は、会社の業務遂行中に上司から受けたパワハラ行為により発症したものというべきであり、同疾患は「業務外の傷病」には当たらず、休職命令は就業規則上の根拠を欠く無効なものであると判断した。

また、当該休職命令を前提とする自然退職により、原告と会社との間の雇用契約が終了したということはできず、原告は会社に対し、雇用契約上の権利を有する地位であると判断した。

厚生労働省 あかるい職場応援団 著者:石上尚弘弁護士

上記の事件は簡潔にまとめるとこのような内容です。

大裕事件の要点

大裕事件は、大阪地裁で判決された労働事件であり、以下が要点です。

  1. 事案の概要:
    • 原告は機械製造会社で働いていた。
    • 上司からのパワーハラスメントにより適応障害を発症し休職。
    • 会社に雇用契約上の権利確認と賃金支払いを求め、上司と会社に損害賠償請求。
  2. 判決内容:
    • 上司の一部パワーハラスメントを認定。
    • 適応障害とパワーハラスメントの因果関係を肯定。
    • 賃金請求を全額命じ、慰謝料は一部支払いを命じた。
  3. パワーハラスメントと認められた行為:
    • 金庫室の施錠に関する指導。
    • 補助金関係書類作成の際の叱責。
  4. 因果関係と適応障害:
    • 医師の意見書から因果関係を認定。
    • 休職命令は無効で、自然退職も認められないと判断。
    • 原告は雇用契約上の権利を有する地位であるとされた。

パワハラ認定された具体的な発言

パワーハラスメントと認定された具体的な発言

金庫室の施錠に関する件
原告が金庫室の施錠を待っていた際、上司は原告に対して以下のような発言をしました。
「金庫室なんかいつまでも開けておいたらあかんに決まってるやろ。防犯上良くないことくらいあほでも小学生でも分かるやろ」
原告の言い分を聞かずに
「言い訳はええんじゃ。金庫を17時にしまう決まりなんやったらきっちり守れや」
と感情的な叱責を繰り返しました。

補助金関係書類作成の件
原告が指示された補助金関係書類を作成している際、上司は原告に対して以下のような発言をしました。
「いつも言うてるやろ。報・連・相やぞ。そんなん社会人やったら知ってて当たり前やろ。あほでも知ってるわ」
「(原告)さんは前からやけど仕事が遅い。前任者に比べて時間が4倍5倍掛かってるんや。能力が劣ってんな」
原告が残業にならないよう作業を進めていた旨を述べたのに対し
「そんなんちゃうやろ」
「(原告)さんは仕事のスピードが人より遅いんやから今回の修正の仕事については、夜中まで、朝まで掛かってもやってや」
「今回の仕事の意味分かってんのか。(原告)さんのチェック漏れやミスがあって、つじつまが合わんの提出したら、申請が認められなくなって、何百万円という、もらえるはずの人件費が全部パーになるんや」
と高圧的な強い口調で叱責しました。

これらの発言がパワーハラスメントと認定されました。

読んでいるだけで苦しくなるような発言ばかりですね。

このような場合はチクチク言葉などという軽い表現で済ませてはいけません。

2 日常的な暴言・暴行を受けたことが原因で自殺したとして、高額の損害賠償

メイコウアドヴァンス事件(←クリックで詳細表示)

メイコウアドヴァンス事件
名古屋地裁平成26年1月15日判決
判例時報2216号109頁

事案の概要

金属ほうろう加工業を営む会社(被告)の従業員(死亡当時52歳 男性)が、会社役員2名から日常的な暴行やパワーハラスメント、退職勧奨等を受けたことが原因で自殺したとして、当該従業員の遺族である妻子が会社及び会社役員2名に対し、不法行為に基づく損害賠償請求(民法709条、715条、会社法350条)訴訟を提起した事案。

本判決は、会社役員1名によるパワハラ、暴行、退職強要等の不法行為と従業員の死亡との間に相当因果関係があったことを認め、被告会社及び会社役員1名に対し、合計5400万円余りの損害賠償を命じた。

判旨

(1)暴言、暴行、退職勧奨のパワハラについて

本判決は、会社役員のうち1名(代表者)につき、以下の事実があったと認定し、①から④の暴言や暴行は仕事上のミスに対する叱責の粋を超えて死亡した従業員を威迫し、激しい不安に陥れるものであって不法行為に該当する、⑤の退職強要についても不法行為に該当すると判断した。

①死亡した従業員が仕事上のミスをした際「てめえ、何やってんだ」「どうしてくれるんだ」「ばかやろう」などと汚い言葉を大声で怒鳴ったり、あわせて同人の頭を叩く、同人を殴る、蹴るなどしたことが複数回あった。

②死亡した従業員ほか1名の従業員に対し、同人らがミスによって被告会社に与えた損害を弁償するよう求め、弁償しないのであれば家族に払ってもらうと述べた。

③死亡した従業員ほか1名の従業員に対し、「会社を辞めたければ7000万円払え。払わないと辞めさせない。」と述べた。

④死亡した従業員の大腿部後面を二回蹴り、全治約12日間を要する両大腿部挫傷の傷害を負わせた。

⑤死亡した従業員に対し、退職願を書くよう強要し、同人は退職届を下書きした。その下書きには「私(死亡した従業員名)は会社に今までにたくさんの物を壊してしまい損害を与えてしまいました。会社に利益を上げるどころか、逆に余分な出費を重ねてしまい迷惑をお掛けした事を深く反省し、一族で誠意をもって返さいします。二ケ月以内に返さいします。」と記載され、「額は一千万~一億」と鉛筆で書かれ、消された跡があった。

(2)自殺とパワハラとの因果関係について

死亡した従業員は、生前「この仕事に向いていないのかな。昔はこんな風じゃなかったのに。」などと口にしたり、日曜の夜になると「明日からまた仕事か。」と言って憂鬱な表情を見せるようになっていたところ、このような発言の時期と、代表者の暴言、暴行の時期とが符合しており、さらに自殺の7日前に④の暴行が行われたこと、自殺3日前に⑤の退職強要があったこと、これらのハラスメントはいずれも死亡した従業員に強い心理的負荷を与えたといえることから、自殺とパワハラとの因果関係が認められた。

(3)損害賠償について

判決は、被告会社及び代表者に対し、死亡した従業員が生きていたならば得られたであろう収入相当額(逸失利益)、慰謝料などの合計5400万円余りの損害賠償を命じた。

引用:厚生労働省 あかるい職場応援団 著者:石上尚弘弁護士

メイコウアドヴァンス事件の要点

メイコウアドヴァンス事件は、大阪地裁で判決された労働事件であり、以下が要点です。

  1. 事案の概要:
    • 金属ほうろう加工業を営む会社の従業員(死亡当時52歳 男性)が、会社役員2名から日常的な暴行やパワーハラスメント、退職勧奨等を受けたことが原因で自殺。
    • 当該従業員の遺族である妻子が会社及び会社役員2名に対し、不法行為に基づく損害賠償請求訴訟を提起。
  2. 判決内容:
    • 会社役員1名によるパワハラ、暴行、退職強要等の不法行為と従業員の死亡との間に相当因果関係があったことを認めた。
    • 被告会社及び会社役員1名に対し、合計5400万円余りの損害賠償を命じた。
  3. 具体的な発言:
    • 暴言や暴行、退職強要が認定されている。
    • 自殺とパワハラとの因果関係も認められた。
  4. 損害賠償:
    • 死亡した従業員が生きていたならば得られたであろう収入相当額(逸失利益)、慰謝料などの合計5400万円余りの損害賠償を命じた 。

パワハラに該当する部分

  1. 暴言や暴行:
    • 死亡した従業員が仕事上のミスをした際、「てめえ、何やってんだ」「どうしてくれるんだ」「ばかやろう」などと汚い言葉を大声で怒鳴ったり、同人の頭を叩いたり、同人を殴ったり、蹴ったりしたことが複数回あった。
  2. 退職強要:
    • 死亡した従業員に対し、退職願を書くよう強要し、同人は退職届を下書きした。その下書きには「私(死亡した従業員名)は会社に今までにたくさんの物を壊してしまい損害を与えてしまいました。会社に利益を上げるどころか、逆に余分な出費を重ねてしまい迷惑をお掛けした事を深く反省し、一族で誠意をもって返さいします。二ケ月以内に返さいします。」と記載され、「額は一千万~一億」と鉛筆で書かれ、消された跡があった。

他にもパワハラ認定された事例はたくさんあります。

2つ目の事例などは、起こってしまったことが本当に残念でなりません。

守るべきは会社ではなく、あなたの命なのに。

職場の上司からのチクチク言葉がパワハラだと思ったら録音して対処を!!どこに出す!?

では、上司からのチクチク言葉がパワハラだと感じたらどうすればよいでしょうか。

主な相談先を2つ、紹介します。

1 勤務先の相談窓口を利用

労働施策総合推進法の改正により、会社にはパワハラ対策が義務づけられています。

パワハラ問題に直面したときには、まずは会社の相談窓口に相談しましょう。

どんなことがあってどんな発言があったのか、記録したものを持参してください。

また、会社に相談しても、よい解決法が示されないことがあるかもしれません。

その場合は調停手続が利用できるので、都道府県の労働局に相談してください。

2 専門機関を利用

パワハラに対する組織的な相談体制が整っていない会社もあるかもしれません。

そんなときは、労働基準監督署の総合労働相談コーナーなどの外部機関に相談する方法があります。

また、労働組合や労働弁護士に相談して、法的なアドバイスやサポートを受けることもできますよ。

どの場合も必ず証拠が必要です。

証拠がなければ、最悪認定されないこともあり得ます。

5W1H(だれが、いつ、どこで、なにを、なぜ、どのように)がわかる記録が必要です。

メールやメッセージの保存、会話の録音など証拠を残して、あなたの主張に信頼性を持たせましょう。

まとめ

  • パワハラとなり得るチクチク言葉は、無限にある
  • 職場でチクチク言葉を言われて、しんどいと感じている人は多くいる
  • 職場でチクチク言葉を使って、パワハラ認定された事例も多く存在する
  • パワハラにあったときは、録音など証拠を残して、まずは専門窓口などへ相談する

今回は、パワハラとなり得るチクチク言葉やパワハラ認定された事例、自分が言われたときの対処法を紹介しました。

職場で受けるパワハラは、あなたの仕事への意欲や心の健康に重大なダメージを生む大きな問題です。

最も重要で優先されることは、自分自身を大切にすることです。

問題を乗り越えるための第一歩を踏み出していきましょう!

※参考:厚生労働省 あかるい職場応援団

※参考:弁護士 林 孝匠 Webサイト

スポンサーリンクまとめ下

-チクチク言葉の対処法
-, , ,