子供が相手を傷つけるようなひどい言葉を使っていて驚いた経験はありませんか?
- チクチク言葉…相手を「チクチク」と傷つける言葉
- ふわふわ言葉…相手が「ふわふわ」とうれしい気持ちになる言葉
相手を思いやる言葉遣いについて、いつからどのように教えたらいいのか悩みますよね。
チクチク言葉とふわふわ言葉は、幼稚園・保育園または小学校低学年で指導されることが多いです。
家庭では3~4歳頃から、チクチク言葉とふわふわ言葉の一覧を壁に貼るなどして、意識されている方もいらっしゃいます。
この記事では現代の子供達がどのようなチクチク言葉を使っているのかをお伝えして、チクチク言葉とふわふわ言葉を指導するタイミングを解説します。
チクチク言葉とは
チクチク言葉とは、一言で説明すると相手を「チクチク」と傷つける言葉です。
実際には「チクチク」どころか「グサグサ」と刺すような、強い言葉もチクチク言葉といいますね。
単語だけではなく文章や、言い方次第でチクチク言葉になる場合もあります。
例えば以下のようなイメージですね。
- 単語…「ウザい」「キモい」「バカ」
- 文章…「そんなこともできないの?」「あなたは責任がなくていいね」
- 言い方…「彼女できるといいね(笑)」「就活がんばって(笑)」
「~できるといいね」「~がんばって」は前向きで励ましのときに使える言葉ですが、マウントを取るような言い方、バカにしたような言い方をすればチクチク言葉になります。
チクチク言葉とはつまり悪口なの?と思うかもしれませんが、チクチク言葉はもっと広い意味で捉えられています。
悪口もチクチク言葉ですが、現代で言うマウントのような嫌味や、パワハラなどの脅しも含む場合が多いです。
「○○マウント」「○○ハラ」という言葉も昔はなかったですが、今ではさまざまな場面で耳にしますね。
「チクチク言葉」と軽い言葉で片付けてはいけない場合もありますので、それぞれにあった対応が必要です。
チクチク言葉ランキングと使用例
チクチク言葉はなんにでも使える言葉がたくさんあり、口ぐせのように言ってしまう子供も多くいます。
ここでは、その中でも子供のいる現場で働いている毎日のように聞くチクチク言葉をランキングにして、子供達がどのように使っているかをまとめました。
チクチク言葉ランキング/小学生編
ウザい、キモいが一般的に広まったのは1990年頃です。
今は幼稚園児でも使っているのを耳にすることがありますが、自分が小さかった頃には今ほど聞かなかったと感じる人もいるのではないでしょうか。
それでは、子供達の間でよく使われる具体的なチクチク言葉の使用例を紹介していきます。
ウザい
今の子供達は、何かあれば「ウザい!」「わ~、ウザッ!」とよく言います。
- 親や友達に何か気に入らないことを言われれば「ウザい」
- 宿題が思い通りにいかなければ「ウザ~い!」
- オンラインゲームをしながら対戦相手に「ウッザ!」
果たして、「ウザい」とは何なのか?と思うくらい、口ぐせのように言いますよね。
自分の思ったようにならなければ、何でも「ウザい」で片付けてしまいます。
そもそも「ウザい」自体も良い言葉ではありませんし、語彙が少ないのかな?と心配になります。
チクチク言葉を使うことがよくないというだけではなく、自分の気持ちをしっかり言葉にして表現してほしいものです。
キモい
これも「ウザい」と同じくらい子供がよく言う言葉のように感じます。
- 自分にできないようなことができた友達に「キモい!」
- YouTubeの動画や画像などを見ながら「キモッ!」
- 自分の好みに合わない髪型、服、色を選ぶ子に対して「キモ~い」
わりと簡単に、何も考えずに子供は言っていることが多いように見えます。
ですが、「キモい=きもちわるい」と言いかえるとどうでしょう。言われた相手はとても傷つく言葉ではないでしょうか。
動画などで、わざわざきもちのわるいものを見なくてもいいのでは?と、大人になると思いますよね。
友達と自分との違い(感性・能力・見た目など)を「キモい」と言って排除しようとしているようにも感じます。
自分と他の人が違うのは当たり前のこと。それを受け入れられるような心を持ってほしいものです。
バカ、アホ
これは定番のいじめ文句。本当に軽い気持ちで意味もなく、口ぐせかのように言う子供もいます。
- 友達のちょっとした失敗に対して「バカじゃないの?」
- 友達に気に入らないことを言われて「うるさいバカ」
- 友達をいじるときに「アホ」
いじられキャラの友達に向かって、可愛がるような気持ちすらこもっていそうな感じで言っている場面も。
でも、言われた子供も笑いながら言い返したりしますが、ちょっとずつイヤな気持ちが積もってくるのではないでしょうか。
言い方や場面、お互いの関係性にもよるかもしれませんが、だからといって、口ぐせのように言っていい言葉ではないですよね。
詳しいランキングと、チクチク言葉をうまく言い換えさせるコツはこちらの記事をご覧ください。
チクチク言葉ランキング/中学生編
中学校の生徒になると、小学生の児童とは少しランキングが変化します。
ほかにも、「クサい」「消えろ」「ジャマ」など、たった2・3文字で相手の心を傷つける言葉ばかり。
小学生との違いは、同じ言葉でも明らかに相手への悪意をもって、あるいは嫌悪感をもって、意味をもった言葉をぶつけることです。
また、残念なことに、親や先生などが間に入ったり注意をしたりすることで、いじめへと発展する危険があります。
大学生など大人に近くなると「自分と他人は違う」ということに気付けますが、中・高校生は本当に注意したい年頃ですね。
チクチク言葉はいつから教える?
チクチク言葉は幼稚園で指導するところが増えています。
チクチク言葉の対義語で、言われたら嬉しくなる、心が温かくなる言葉を「ふわふわ言葉」といい、合わせて指導することが一般的です。
教える方法は絵本の読み聞かせ、(子供に意見を出してもらって)ポスターにする、そのポスターをみんなで確認する、など
幼児への読み聞かせにぴったりな絵本もあり、幼稚園や保育園の壁に先生が手書きでポスターを貼っていることもあります。
チクチク言葉に関する大人向けの本や子供向けの絵本については、こちらの記事で詳しくまとめていますので、興味のある方はぜひご覧ください。
ポスターについてはこのようなポストがたくさんありました。
引用:X@pisu07457010
引用:X@bansyouzan
幼児は言葉をたくさん吸収する時期です。
難しいことを説明する必要はなく、例えばお友達と揉めてしまったときに「この言葉は悲しい気持ちになるから言わないようにしようね」と自然に伝えていくだけでも意味があります。
その際「そういう言葉はチクチク言葉と言うんだよ。言われたら心がチクチクして悲しい気持ちになるよね。反対にうれしい気持ちになる言葉はふわふわ言葉だよ。ふわふわ言葉を使うとあったかくて優しい気持ちになるね。」と教えてあげるといいですね。
子どもにとって「チクチク言葉」「ふわふわ言葉」という言葉はイメージしやすく、すぐに覚えます。
そして「ママ、今のはチクチク言葉だよ!」なんて指摘されてしまう経験をした方も。
引用:X@mai_mama22
引用:X@11RingoHoppe29
また、幼稚園・保育園のあと小学校低学年でも指導されることが多いです。
同じく教室や廊下、発達支援教室などにポスターが貼られていることもありますね。
いつから指導するのが最適か?という問題については、対象の子供本人の発達スピードによりますので、年齢にこだわる必要はありません。
「とにかくバカと言ってはダメ」というものではなく、”相手を悲しい気持ちにさせるよ、優しい言葉を使おうね” と伝えるのが大切です。
ですので、簡単にでも「いいこと・悪いこと」の区別ができるようになってからでないと理解してもらうのは難しいですよね。
子供の発達に合わせて、本人や周りの子供の言葉遣いが気になりだしたら、親子の会話の中で自然に伝えていきましょう。
まとめ
- チクチク言葉…相手を「チクチク」と傷つける言葉
- ふわふわ言葉…相手が「ふわふわ」とうれしい気持ちになる言葉
- 小学生がよく使うチクチク言葉ランキング
・1位…ウザい
・2位…キモい
・3位…バカ・アホ - 中学生がよく使うチクチク言葉ランキング
・1位…死ね
・2位…キモい
・3位…ウザい - 小学生は相手の気持ちを深く考えず、軽い気持ちで言っていることが多い
- 中学生は相手を傷つけるとわかっていて、悪意をもって言っていることが多い
- チクチク言葉とふわふわ言葉を指導するタイミングは幼稚園・保育園または小学校低学年からが一般的
※発達に合わせて簡単にでも「いいこと・悪いこと」の区別ができるようになってから - チクチク言葉とふわふわ言葉を教える方法は絵本の読み聞かせ、ポスターにする、そのポスターをみんなで確認する、など
我が子がひどい言葉を使っていると心配になりますが、その子に合ったタイミングで教えてあげられるといいですね。
チクチク言葉とふわふわ言葉をいつから教えたらいいのかな?と悩んでいるお父さんとお母さんへ、この記事が参考になりましたら幸いです。