あなたは「ホバーランランルー」という言葉を聞いたことがありますか?
一部の人、とくに子供達の間で、「ホバーランランルー」はチクチク言葉として認識されています。
「ランランルー」は、マクドナルドのCMで使われたフレーズです。
では、「ランランルー」「ホバーランランルー」という言葉が、なぜチクチク言葉とされているのでしょうか?
元ネタは10年以上前に放送されたマクドナルドのCMです!
楽しいCMのフレーズが、チクチク言葉として怖い意味に変わってしまった理由を知りたい!
今回は、このチクチク言葉「ホバーランランルー」の元ネタについて調べてみました。
チクチク言葉ランランルーの元ネタはマクドナルドのCM
「ランランルー」というのは、過去にマクドナルドのCMで、イメージキャラクターのドナルドが嬉しいときに言う言葉として使ったのが始まりです。
こちらのCMをご覧ください。30秒弱の短い動画です。
以下は内容の書き起こしです。
テロップ「ランランルーってなんなんだー?」
ドナルド「ランランルー」※手をクロスさせて肩をたたく、目の前で手をたたく、両手を上にあげる、の動作に合わせて発言
ドナルド「ドナルドは嬉しくなると、ついやっちゃうんだ!」
ドナルド「みんなも一緒にやってみようよ、いくよ!ランランルー!!」
このような内容のCMが元ネタとなっています。
これがなぜチクチク言葉として認識されるようになったのでしょうか?
チクチク言葉ランランルーの怖い意味/ネットミーム
ランランルーは、本来は悪口ではありません。ドナルドが嬉しいときにやることです。
しかし、一部の人や小学生の間では「死ね死ね消えろ」という意味で使われることがあります。
そのため、保護者や教職員の間でもチクチク言葉(暴言、悪口)の一種として認識されつつあります。
「死ね死ね消えろ」って怖すぎる…なんでそんな意味を持ってしまったの!?
その理由・原因となるのが、先ほどのマクドナルドのCM動画です。
先ほどご紹介したように、マクドナルドの「ランランルー」のCM動画はかなりクセが強いですよね。
ドナルドは日本のネット上で古くから圧倒的な人気があり、ネタとして教祖と崇められ、CM素材として数えきれないほどのMADに使われてきました。
※MAD:既存の動画や音声、画像を寄せ集めて切り貼りし、再編集された二次創作物
たしかにこのドナルドの見た目はどこか怖さや気味悪さを感じますし、先のCM動画もシンプルすぎる内容なのでネタにされやすいのも納得ですね。
それが原因で、長期に渡り改変されながら多くの人に広まっていきました。
これをネットミームといいます。
※ネットミーム:インターネット上の面白い動画が人から人へ拡散されていく文化のこと
では具体的にどのような話題で広まり、チクチク言葉として認識されるようになったのでしょうか?
「嬉しくなると、ついやっちゃうんだ!」
諸説ありますが、私が有力なのではと思っている説をご紹介します。
下記は先ほどご紹介したマクドナルドのCMの中で、ドナルドが言うセリフです。
ドナルド「ドナルドは嬉しくなると、ついやっちゃうんだ!」
このセリフは「つい、殺っちゃうんだ☆」と、狂気のセリフとして表現されることが、MADではよくあります。
ドナルドの外見、目が笑っていないピエロの笑顔でこんなことを言われたら怖いかも…
CM動画では、この「つい、や(殺)っちゃうんだ☆」のあとに「ランランルー!!」という言葉が続きます。
この流れから「ランランルー」が「死ね死ね消えろ」の意味を持つようになったのではないでしょうか。
また、当時YouTubeやうごくメモ帳でドナルドが「ランランルー」と言いながら必殺技を繰り出し、いろいろなキャラクターを吹き飛ばしたり爆破したりするMADが流行ったことがありました。
うごくメモ帳:略して「うごメモ」ニンテンドーDSのソフトで、自分で作ったパラパラ漫画をネット上に公開、共有できるもの(現在はサービス終了)
例えばこのような動画です。
0:30~、ドナルドがランランルーといったらとりあえず相手が死ぬ、という使われ方をしています。
この動画でも0:13~派手に倒したあとの決め台詞で「ランランルー」と言ったり、0:21~必殺技の前の掛け声としていたりします。
0:40~「やっちゃうよ」を「殺っちゃうよ」として使っているシーンもありますね。
その結果、”ランランルーは暴力的な発言”という認識が小学生の間で広まり、一種の隠語のようなものとして使われて今の子供達にも伝わったのですね。
こんな昔に流行ったものが今の子供達にも伝わっているなんてびっくり!
そしてこのCM動画には出てこないのですが、、「ホバー」という言葉がチクチク言葉(悪口)として「ランランルー」と合わせて使われることもあります。
ホバーランランルー!!!
上の吹き出しのように、軽い悪口として深く考えずに笑いながら言ってしまう子供も多くいるようで、悲しいことですね。
「ホバー」も初めて聞く、意味が分からないという方が多数かと思います。
この言葉はどこから生まれたのでしょうか。
意外にも小学校に貼られていたチクチク言葉のポスターをX(旧Twitter)に投稿された方が、ひとつの答えを持っていました。
ホバーランランルーの”ホバー”にも怖い意味が…
「(ホバー)ランランルー」がチクチク言葉とは知らなかった方が知ったきっかけとして、ひとつのポスト(旧ツイート)の存在があります。
それがこちら。
引用:X@kajime_yaki
こちらはかじめ焼きさんの投稿で、小学校の壁に掲示されていた「あったか言葉」と「チクチク言葉」です。
投稿に添えられた画像のチクチク言葉の中に「ホバーシャラップ」「ホバーランランルー」という言葉がありますね。
ランランルーの意味については先ほどの説明のとおり「死ね死ね消えろ」ですが、「ホバー」とはなにかと話題になりました。
なかには「フォーエバー」のことではないかという説も挙がっていましたが、投稿主さんが娘さんに確認したところ、「アホバーカ」の略だったことが判明!
引用:X@kajime_yaki
地域や年代によって違うかもしれませんが、この学校では「ホバー」=「アホバーカ」の意味として、チクチク言葉に当たるため禁止とされているのですね。
チクチク言葉ランランルーはいつから使われるようになった?
ランランルーは、世界中の老若男女から愛されているマクドナルドの公式キャラクターであるドナルドが、嬉しくなるとやってしまうポーズと掛け声を指します。
それが現在では「死ね死ね消えろ」という意味を持ち「チクチク言葉」として認識されているのですが、それはいつからどのような経緯で始まったことなのでしょうか。
まずは簡単に時系列でご覧ください。
- ランランルーが誕生するよりもっと前から、ドナルドに関する怖い都市伝説は存在していた
- 2004~2007年にマクドナルドのCMが放送されて、「ランランルー」という言葉が誕生した
- ドナルドやランランルーがうごメモやニコ動でネタの素材にされて、敵を倒す必殺技などに使われ爆発的に広まった
- 2010~2011年に上記が広まった結果、小学生の間で「死ね死ね消えろ」の意味を持つようになった
- 兄弟姉妹や親から子へ伝わり、現在では「チクチク言葉」として認識されて一部小学校では禁止されている
実はランランルーが誕生するよりもさらに古くから、ドナルドはその外見から恐怖の対象となることも多く、さまざまな怖い都市伝説が局所的に存在していたようです。
そして「ランランルー」という言葉は、2004年から2007年に放映されていたマクドナルドの「うわさのシリーズ」のCMで初めて誕生しました。
CMでは嬉しいときに言う言葉として使われているのに、怖い意味で使われるようになったのはいつからでしょうか。
ランランルーが小学生の間で流行るより前に、ドナルドやランランルーはYouTubeやうごくメモのネタ素材として大変な人気がありました。
先ほどご紹介したように、「ランランルー」は相手を倒す必殺技としての掛け声や動作として使われて、大変な数のMADが作られ、この頃から急速に広まっていきます。
次第に「ランランルー」は「死ね死ね消えろ」という意味を持つようになりました。
ネット上で過去の情報を調べてみると、Yahoo!知恵袋の投稿で2010年3月の質問と回答に以下のようなものを見つけました。
質問「ランランルーってどーゆー意味ですか?教えて下さい。」
回答「友達から聞いたんですけど、「死ね死ね消えろ」という意味らしいですよ」
これ以外にも2010年だけで6件、「ランランルー」と「死ね死ね消えろ」に関する質問が見つかりました。
さらに2011年1月、ネット上のとある掲示板の書き込みで下記のような投稿を発見。
今、うちの地区の小学生の間では「ランランルー」という言葉が流行っている。「死ね死ね消えろ」という意味の呪文として使われている
ニコニコ大百科でも2011年頃から頻繁に話題に上がっていたことが確認できました。
自分の弟妹や友達の小学校で「ランランルー」が「死ね死ね消えろ」という意味で流行っている
という内容のものが多くあり、2011年の時点で小学生の間でかなり流行っていたことがわかりました。
その後インターネットやSNSを通じて拡散されて兄弟や親子間で伝えられ、一部の小学校などで怖い意味として使われるようになって現在に至ります。
それで今も「ランランルー」はチクチク言葉とされているんだね!
まとめ
- ランランルーの元ネタはマクドナルドの「ドナルドのうわさシリーズ」のCM
- ランランルーの怖い意味は「死ね死ね消えろ」
- そのような意味になった理由は、ドナルドやランランルーがMADなどでネタ扱いされ、ランランルーが相手を殺す呪文のような使われ方をしたから
- ホバーランランルーの”ホバー”にも怖い意味があり「アホバーカ」が有力、「フォーエバー」の可能性もある
- ランランルーという言葉が広まったのはマクドナルドのCMが始まった2004年~、チクチク言葉として怖い意味を持ち始めたのは2010年・2011年頃~
「ランランルー」は本来楽しい瞬間や喜びを感じたときに使われる言葉です。
しかしここまで「死ね死ね消えろ」という意味で広まってしまった今、「チクチク言葉」や「悪口」と捉えてしまう人もいるので気を付けましょう。
こちらの記事もぜひご覧ください。